3歳児の複雑なココロ
ママと離れてプールに入るのが嫌だとポロポロ涙をこぼして訴えるちょんの姿が切なすぎ、半ば退会の意思を固めつつあったスイミング。
が、子供とはなんという不思議な生き物か。
この日もあんなにワンワン泣きながら連れて行かれたくせに、プールに登場したちょんは、
ケラケラ笑っているではないですか。
いったい何をきっかけにスイッチが入ったのか、その日以降はプールを嫌がることも徐々に減り、進級後1ヶ月が経とうとしている今では、
はしゃぎすぎてコーチに叱られる始末。
プールで泣きじゃくりながら、ガラスの向こうにいる私を呼ぶちょんや、家の玄関で目を涙でいっぱいにして、「ママも!」と訴えるちょんの姿に、進級は親のエゴだったんだ・・・と申し訳ない思いでいっぱいになっていた私は、突然の変化に戸惑いつつもひと安心。
何より、プールでのレッスンを終えて更衣室に飛び込んできたちょんが、
「泣いてたなぁい!」
と真っ赤なほっぺで誇らしげに教えてくれたこと。
「泣いてたない」・・・というのは、文法がまだ危ういちょん的に「泣いてなかった」という意味。
今日は泣かなかったよ! と真っ先に私に教えてくれたのだ。
前回までは、まる1時間を泣いて過ごして帰った後、私やパパに、
「ちょん泣いてたー」
と何度も報告していた。
実はそのとき、ちょんはちょっぴりウソをついていた。
ちっとも泣かずにがんばっていたお友達のことを、
「○○ちゃん、泣いてたー」
とパパに虚偽の報告。
私が、
「○○ちゃんは泣いてないやん」
と口を出しても、
「泣いてたぁー」。
ちょんがプールで泣いてしまっても、私は「なんでちゃんとできないの!」と怒ったことはない。
でも、ちょんなりに、3歳児なりの自尊心というものがあって、ほんとは泣いてしまう自分がちょっとだけ恥ずかしかったのかも。
○○ちゃんのようにできなかった自分が、ちょっとだけ悔しかったのかもしれない。
○○ちゃんみたいにがんばって、私に「すごいでしょー!」と言いたかったのかも。
だから、あんなに誇らしげな「泣いてたなぁい!」になったのかな?
しっかり暖まってホカホカしているちょんを、
「がんばったねー! すごいね、ちょん!」
とぎゅーっとしたら、
「すごいしょーっ!」
とニコニコしていた。
あのまま退会しなくてよかったと、心から思う。
ちょんが、できなかった・・・のままじゃなく、
できた! というピカピカした感情を心につかむことができてよかったなぁ。
最初はどうなることかと思ったけど、でも、あれだけ泣いてくれたことも、ママは少しうれしかったよ。
いつまでも「ママは特別」と思っていたいんだな。
今だから言えるんだけどね。
このページの上へ戻る↑
←HOMEへもどる